第45章
ママ?
この二文字が爆弾のように、晴天の霹靂のごとく響き渡り、宴会場は一瞬にして静寂に包まれた。
島宮奈々未は自分の両足にしがみついている小さな男の子を見下ろした。まるで細工された人形のように美しい顔立ちをしている。
一声の「ママ」が島宮奈々未の過去の記憶を呼び覚ました。生まれてすぐに顔も見ないまま死んだと言われた子供のことを。
当時、島宮徳安が直々に子供が死んだと彼女に告げたのだ。
その後、天瀬美和子は子供が死んでいないと言った。
もしかして、この子が本当に自分の息子なのだろうか?
島宮奈々未は体を硬直させたまま立ちすくみ、小さな男の子は顔を上げて再び叫んだ。「ママ、僕とパパ...
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